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占いを信じない私が、 九星気学を使い続けている理由

占いなんて信じない。 そう言い続けてきた 30 代の私が、 母との関係に削られる中で「占いではなく構造」 として九星気学に出会い、 半年後に「自分用の地図」 として使い続けるまでの物語。

占いを信じない私が、 九星気学を使い続けている理由

私は、 占いを信じていません。

これは、 ずっと公言してきたことです。 タロットも、 水晶玉も、 朝のテレビの星座占いも、 「ふーん」 と聞き流して、 自分とは無関係な世界の話だと思って 30 年以上生きてきました。

でも、 今この記事を書いている私は、 九星気学のアプリをスマホに入れています。 半年前にダウンロードして、 月に何度か開いています。 占い、 と呼ぶには、 私はまだその言葉に抵抗があります。 でも、 確かに何かが変わりました。

これは、 「九星気学を信じない私」 が、 それでも九星気学を使い続けている、 その理由の話です。 もし、 あなたが「占いは信じないけれど、 自分のことが分からない」 という、 私と同じ場所に立っているなら、 何か持ち帰れるものがあるかもしれません。


「占いは信じない」 と言い続けた 30 代の話

私が「占いを信じない」 と言うとき、 そこには 2 つの意味が混ざっていました。

ひとつは、 純粋に科学的な不信です。 生年月日で性格が決まるなんて、 人類を 12 とか 9 とかの箱に押し込めるなんて、 そんな雑な分類で何が分かるのか、 という冷たい反発。

もうひとつは、 もう少し私的な感情です。 母が、 たまに占いに行く人でした。 帰ってくると、 「今年は気をつけないとダメな年らしいよ」 と私に向かって言うのです。 私は、 その言葉に縛られたくなかった。 だから、 「占いなんてものに人生を左右されたくない」 と、 半分は母への反発として、 占いを遠ざけてきました。

それでも、 30 代に入ってから、 「自分とは何か」 という問いだけは、 何度も浮かんできました。 仕事の人間関係、 パートナーとの距離感、 友人との温度差。 全部、 自分のことが分かっていれば、 もう少しうまく扱えるはずなのに。 「自分の取扱説明書がほしい」 と、 本気で思っていました。

だから、 占いではない自己分析ツールには、 むしろ前のめりで手を出しました。 MBTI、 16Personalities、 エニアグラム、 ストレングス・ファインダー。 一通り試して、 結果を眺めて、 「うん、 当たってる気がする」 と思って、 数日で忘れる。 これを何度繰り返したか分かりません。

腑に落ちる、 という感覚が、 一度も来なかったのです。

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家族との関係が、 自己分析を必要にする

「自分のことが分からない」 という違和感を、 強く意識したのは、 母との関係を通してでした。

私は母を嫌いではありません。 でも、 一緒にいると、 ものすごく消耗します。 月に一度、 実家に帰って、 顔を合わせて、 半日も経たないうちに「もう帰りたい」 と思っている自分がいる。 母は、 たぶん私を心配しているのだと思います。 心配の表現が、 私にとっては、 重すぎるのです。

「ちゃんと食べてるの」「もう少し痩せた方がいいよ」「結婚はどうするの」「老後の貯金は」。 ひとつひとつは、 親が子に言う、 当たり前の言葉なのかもしれません。 でも、 それが矢継ぎ早に来ると、 私は呼吸が浅くなります。 「分かってるよ」 と返すと、 「あんたはすぐそうやって突き放す」 と返ってくる。 そして、 また数週間、 連絡を取らない期間が始まる。

これを、 私は 10 年以上繰り返してきました。

最初は、 「母が悪い」 と思っていました。 次に、 「私が冷たいのかもしれない」 と思いました。 心理学の本を読んで、 「アダルトチルドレン」 とか「共依存」 という言葉に当てはめてみたこともあります。 でも、 どれも、 当てはまっているのかいないのか、 自分でも判定できないまま、 結局「私と母は、 そういう関係なのだ」 と諦めて、 何も解決していませんでした。

「自分のことを知りたい」 という願いの裏には、 いつも、 「母との関係を、 もう少し楽にしたい」 という願いがありました。

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ある日、 友人が「占いじゃなく構造を見るツール」 と言った

そんな頃、 久しぶりに会った友人と、 カフェで愚痴をこぼしていました。 「母と話すと疲れる」 という、 いつもの話です。 友人は、 黙って聞いてから、 スマホを取り出して、 「これ、 ちょっと面白いよ」 と画面を見せてきました。

九星気学のアプリでした。

私は、 反射的に身構えました。 「占いは信じないんだよね、 私」 と、 半分笑いながら、 半分本気で言いました。 友人は、 「うん、 知ってる」 と返しました。 「でも、 これ、 占いじゃなくて、 構造を見るツールだから」 と。

構造を見るツール、 という言葉が、 引っかかりました。

友人は説明してくれました。 九星気学には、 「五行」 という考え方があって、 人を「木・火・土・金・水」 の 5 つのタイプに分ける。 その 5 つの間には、 助け合う関係 (相生) と、 削り合う関係 (相剋) があって、 たとえば「火は土を温める (相生)」「火は金を溶かす (相剋)」 みたいに、 物理的な比喩で書かれている。 それが、 そのまま人間関係の摩擦の説明になる、 と。

「占いっていうより、 性格分類の地図だと思って使ってる」 と友人は言いました。 「未来予測としては使ってない。 でも、 『なんでこの人と話すと疲れるのか』 を、 言葉にする道具としては、 けっこう便利」。

それなら、 と私は思いました。 自分の正体を知る道具としてなら、 試してもいい。 私はその夜、 帰宅してから、 こっそりアプリを入れました。 誰にも言わずに。

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「土」 と「火」 — その晩、 私は地図を手にした

生年月日を入れると、 私の本命星は「八白土星」 でした。 「土」 のタイプ。 アプリには「マウンテン」 というキャラクターの絵が出てきて、 「山のように動かない強さ、 自分の領域を大切にするタイプ」 と書かれていました。 一人で本を読むのが好きで、 急かされるのが嫌いで、 自分の時間を確保することに執着する私の性格と、 不思議と重なりました。

それから、 母の生年月日も入れてみました。 「九紫火星」。 「火」 のタイプ。 「フレア」 というキャラクターで、 「明るく、 感情の振れ幅が大きく、 周囲を照らすが、 燃え尽きやすい」 とありました。 これも、 母そのものでした。 笑い声が大きくて、 感情がそのまま顔に出て、 心配性で、 でも家族のことで一日中悩んで疲れている、 私の母。

「土」 と「火」 の関係を、 アプリは「相生」 と説明していました。 火は土を温める、 土は火を受け止める。 「相性が良い」 と書かれていました。

私は、 軽く混乱しました。 「相性が良い」 はずなのに、 なぜ私と母は、 こんなに摩擦しているのか。

スクロールを続けると、 もう少し細かい解説がありました。 「土星は、 火の熱を受け取りすぎると、 焦げる」。 「火星が強い時期、 土星はエネルギーを吸われて消耗しやすい」。 「相生だからこそ、 距離感を間違えると、 一方的に与える関係になる」。

ここで、 私は息を止めました。

母は、 私を愛しています。 これは間違いないと思います。 でも、 その愛情の温度が、 私には熱すぎる。 「土」 である私は、 「火」 である母の熱を、 受け止めようとして、 いつも焦げている。 母は悪くない。 私も悪くない。 ただ、 火と土の関係が、 そういう構造になっている。

10 年間、 言葉にできなかったものに、 急に輪郭がつきました。

これは、 占いではないと、 私は思いました。 これは、 私と母の間で起きていた物理現象の、 説明書きでした。

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「占いに頼った」 と思いたくなかった、 半年間

それでも、 私はこのことを誰にも話しませんでした。 友人にすら、 「あのアプリ、 使ってる?」 と聞かれたら、 「うん、 ちょっとね」 とだけ返していました。

「占いに頼った」 と、 自分で思いたくなかったのです。

長年「占いは信じない」 と言い続けてきた手前、 「実は九星気学のアプリで、 母との関係を整理しています」 とは、 口が裂けても言えませんでした。 30 代の、 ある程度仕事もしている自分が、 母との関係を占いで読み解いている、 という構図が、 自分の中でうまく座らなかったのです。

それでも、 アプリは月に何度か開いていました。 母と電話する前に、 自分と母の関係を「火と土」 として確認する。 ぶつかった日には、 「今日は火が強かったのか、 土が硬すぎたのか」 と自問する。 アプリには「日命星」 という、 その日のコンディションを示す要素もあって、 私はそれを見ながら、 「今日は無理をしない方がいい日」 とか「今日は人と話しても消耗が少ない日」 とか、 自分のリズムを観察するようになりました。

不思議だったのは、 開く頻度が減らなかったことです。 自己分析ツールを試してきた経験からすると、 たいてい数日で飽きるか、 結果を眺めて満足して二度と開かないか、 のどちらかでした。 でも、 このアプリは、 何かが起きるたびに「あの構造で考えると、 これはどう読めるんだろう」 と、 自然に開いていました。

たぶん、 「答え」 が書いていないからだと思います。 性格診断は、 「あなたはこういう人です」 と答えを与えてきます。 でも、 九星気学のアプリが見せてくるのは、 構造と、 関係の地図だけです。 そこから何を読み解くかは、 私の仕事として残されている。 私はその「自分で読み解く余白」 が、 たぶん好きだったのです。

未来は予言されていません。 運命も決定されていません。 ただ、 「今、 私はどういう関係の中にいるのか」 が、 五行の言葉で言語化されている。 それだけです。 それだけで、 十分でした。

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半年後、 母との「距離の取り方」 が変わっていた

半年が経ちました。 私は、 まだ「占いを信じない」 と公言しています。 朝のテレビの星座占いは、 相変わらず聞き流しています。 タロットも水晶玉も、 私の生活にはありません。

でも、 母との関係は、 確かに変わりました。

ぶつかる回数が、 減りました。 月に一度、 実家に帰る頻度は同じです。 でも、 帰る前に、 私は意識的に「今日は火が強い日かもしれない」 と心の準備をするようになりました。 母が矢継ぎ早に質問をしてきても、 「ああ、 今、 火が燃え盛っているな」 と、 一歩引いた視点で観察できるようになりました。 母を悪く思うことが減ったのです。

それから、 「分かり合おうとする」 のを、 やめました。 母には、 母の感情のリズムがあり、 私には、 私の沈黙のリズムがある。 火と土は、 違うものとして共存していい。 これが、 私の中で、 何より大きな変化でした。

10 年間、 私はずっと、 「母にもっと自分のことを分かってほしい」 と思ってきました。 そして、 分かってもらえないたびに、 削られてきました。 でも、 「火と土は、 そもそも違うものとして共存しているのが正しい姿」 と気づいてから、 私は母に「分かってもらうこと」 を期待しなくなりました。

期待を降ろした分、 関係は楽になりました。

母は、 私のこの変化に、 たぶん気づいています。 何かを言われたわけではありません。 でも、 この間電話した時、 母が「最近、 あんた、 落ち着いたね」 と言いました。 私は「うん、 ちょっとね」 とだけ返しました。 アプリのことは、 まだ言っていません。

最近になって、 例の友人にだけ、 「あのアプリ、 半年使ってるよ」 と打ち明けました。 友人は「だと思った」 と笑いました。 そして、 「私もちょっと、 また見てみよう」 と言いました。

私たちは、 信じているわけではないと思います。 ただ、 「自分用の地図」 として、 使えるところは使っている。 それだけです。

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「占い」 ではなく「構造」 として使うと、 何が変わるのか

ここで一度、 私の半年間を整理しておきます。 「占いを信じない」 私にとって、 九星気学が「使える道具」 になった理由は、 おそらく 3 つあります。

ひとつ目は、 答えではなく地図が手に入ったこと。 「あなたはこういう人です」 と決めつけられると、 私は反発します。 でも、 「火と土はこういう構造で関わる」 と関係の図が示されると、 反発する対象がありません。 そこから何を読み取るかは、 私の仕事として残されている。 だから、 受け入れることができました。

ふたつ目は、 自分を責める語彙が、 構造の語彙に置き換わったこと。 「母とうまくいかないのは、 私が冷たいから」 と自分を責めていた私が、 「火と土は、 距離感を間違えると相生でも消耗する」 と言えるようになりました。 これは、 自己否定から自己観察への、 大きな移行でした。

みっつ目は、 未来を予言されないこと。 九星気学にも「年運勢」 や「月運勢」 という概念はあります。 でも、 私は基本的に、 そちらは見ていません。 私が使っているのは、 「今、 この関係はどういう構造か」 を読む機能だけです。 未来を決めつけられないから、 私はこの道具を、 自分のペースで使えています。

「占い」 という言葉に抵抗がある人ほど、 むしろ九星気学は「構造を読む道具」 として使えるかもしれません。 これが、 半年使ってみた、 私の率直な感想です。


まとめ — 信じる / 信じないの話ではなかった

半年前、 私は「九星気学を信じるかどうか」 を問題にしていました。 でも、 今になって思うのは、 そもそも問いの立て方が違っていた、 ということです。

九星気学は、 「信じる対象」 ではなく、 「使う道具」 でした。 信じる必要も、 否定する必要もなく、 ただ「自分と家族の関係を、 五行という言葉で見直したらどう見えるか」 を試してみる道具です。

私は、 たぶん今でも、 厳密には九星気学を「信じて」 いません。 でも、 「使って」 います。 これは矛盾ではないと、 私は今では思います。

もし、 あなたが、 過去の私のように「占いは信じないけれど、 自分のことが分からない」 という場所に立っているなら、 一度だけ、 試してみてもいいかもしれません。 信じる必要はありません。 ただ、 自分と、 大事な誰か (母、 父、 パートナー、 友人) の本命星を出して、 五行の関係を眺めてみる。

その地図が、 あなたにとっても何かを言語化してくれるかどうかは、 私には分かりません。 でも、 10 年間言葉にできなかったものが、 半年で輪郭を持ち始めた、 という私の経験は、 嘘ではありません。


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— ナインリンク編集部

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